外断熱について

外断熱とは?

外断熱の歩み

外断熱は、英語でExternal wall insulationと云います。外断熱あるいは外断熱工法としてヨーロッパでは、広く知られた工法です。ドイツで1956年に始めて施工された建物と外断熱システムは、約60年経過した今も健在との事です。
今やヨーロッパでは一般的な工法になり、住宅に限らず新築においては9割以上が外断熱(外張り工法なども含む)で施工されています。日本でも外断熱の優位性が広く認知されつつあり、今後外断熱が一般的工法として広く普及されていくと予想されます。

外断熱と内断熱そして外張り工法の違い

外断熱工法

外断熱図説

外断熱は、鉄筋コンクリート造などの熱容量の大きな構造体の外側に断熱材を設ける場合をいいます。

内断熱工法

内断熱図説

内断熱は、鉄筋コンクリート造などの構造体の内側に貼る場合をいいます。今までは、この工法が主流だったわけです。

外断熱が注目されているのは、内断熱では活かされることのなかったコンクリートの構造体の特徴が、外断熱では利点として様々に作用するからです。

外張り断熱工法

外張り断熱工法

外張り工法は、木造や鉄骨造の建物の柱の外に貼る場合をいいます。

充填断熱工法

充填断熱工法

充填断熱工法は、木造や鉄骨造の主流だった工法で壁内部(柱と柱の間)に断熱材を入れる場合を言います。

ハイブリット断熱工法

ハイブリット断熱図説

ハイブリット工法は、外張り工法と充填工法の両方を行う工法で、高断熱・高気密化に有効ですが、コストも多くかかります。

熱橋(ヒートブリッジ)とは

建物躯体の断熱層を他の材料が貫通している等の理由で生じる、熱を伝えやすい部分を指します。
冬はヒートブリッジ部分から熱が逃げ、その部分に近い室内表面温度は他の部分に比べて低くなり、結露を生じることがあります。
夏は外の熱が侵入し、室内環境を悪化させます。鉄筋コンクリート造建物のバルコニーの基端部等は、構造熱橋(ヒートブリッジ)が生じる代表例です。

1.外断熱の住宅
床と壁の取り合い部
2.内断熱+断熱補強
床と壁の取り合い部
3.外断熱+断熱補強
バルコニーがある場合
4.内断熱+断熱補強
バルコニーがある場合

アーキスタジオの外断熱は弊社独自の対策により、躯体結露とは無縁です。

外断熱で得られる快適な住み心地

夏は外気の熱を遮断、冬は暖かい室内の熱を外に逃がしません。
なぜ外断熱がいいのか?
それは、外断熱とすることで、コンクリートに室内側の熱を蓄熱することができ、コンクリートの温度を室内温度に近づけることができるからです。
そうすることで、室内温度が安定し室内の温度分布が一定になります。
こうして夏涼しく冬暖かい室内環境を少ないエネルギーで実現でき、中間期は自然通風を取り入れることで年間を通じて快適に過ごせます。

例えば…
暖房を切ったとしてもコンクリートに蓄えられた熱の放熱によって急激に冷えることがありません。
上部だけ暑く足元が冷えるといったことはありません。
内断熱のように夏の暑い日差しでコンクリートが夜間まで熱を持つこともなく、外断熱では冷房を切った後でも、蓄冷作用で涼しさを長く維持さえることができます。
このように外断熱にすることで、コンクリートの蓄熱性が活かされ、夏涼しく冬暖かく室内の上下で温度差のない快適な空間にすることがでるのです。

また、構造体の寿命が飛躍的に伸びます。
外断熱とすることで外気温によるコンクリートの温度変化を小さくすることができコンクリートへのダメージが減らせます。また、風雨、紫外線の影響も抑えられます。その結果コンクリート構造体の寿命が飛躍的に伸びます。

RC外断熱工法のメリット ・デメリット

RC外断熱工法のメリット

  • コンクリートが雨・風・紫外線の影響、そして激しい温度差等の影響を受けないので耐久性が高い。
  • 部分的に断熱材が切れる内断熱はそこがヒートブリッジ(冷橋)になり結露する危険性が高いが、RC外断熱はベランダ部分のように外に突出する部分以外はヒートブリッジ(冷橋)にならない。
  • コンクリートの蓄熱性が得られるので、急激な温度変化を招かずに室温が安定する。
  • RC外断熱はヒートブリッジ(冷橋)部分が内断熱に比べて少ないため、同じ断熱材の厚みでも高い断熱性能が得られる。
  • RC外断熱の内装はコンクリートむき出しのインテリアからスタートさせるので自由度が高い。
  • 外装材をメンテナンスしていくこと及び取り替えることでコンクリートの劣化を防ぎ、寿命を延ばすことができる。
  • コンクリートが室内側にあるので内断熱に比べて自家火災に強い。

RC外断熱工法のデメリット

  • 内断熱に比べ、工法も限られ高価なイメージがある。
  • 外装デザインの制約、外装劣化等の問題がある。
  • コンクリートが室内側にあるので内断熱に比べて隣棟火災に不利といわれていましたが、アーキスタジオではそれを解消することができます。

コンクリートについて

コンクリート住宅と環境

コンクリート住宅は地震に強いが、環境負荷の高い素材。
コンクリートの住宅(鉄筋コンクリート住宅)は、柱、梁、壁が一体となり耐震性と気密性に優れています。
特に、住宅規模であれば、壁式鉄筋コンクリート造が、耐震としては、地震に対して最も強い構造です。
また、気密性の高さは、省エネ効果を生みますが、コンクリートそのものは、環境負荷の高い材料であると認識されています。

外暖熱工法が、コンクリートの環境負荷を一変させる。

街の環境も変える
コンクリート住宅を外暖熱にすることで、環境負荷の低減に様々な効果が生まれます。
ヒートアイランドの主たる原因は、太陽エネルギーを蓄熱容量の大きなアスファルトやコンクリートがため込み放熱する事にあります。
地球環境にとって負荷となるこの性質が外断熱では解消され、建築内の居住空間にとっては利点となり作用するのです。
蓄熱と輻射熱効果が、理想的な温熱環境と省エネルギー効果生み出します。つまり暖かく涼しいここちよさをえながら環境負荷の低減に役立つのです。

外断熱・コンクリート住宅のかなめ。鉄筋コンクリートと云う素材

鉄筋コンクリートは、19世紀のフランスで生まれました。
コンクリートは圧縮には強いが引っ張りには弱い、鉄は圧縮には座屈しやすいが引っ張りには強く、この二つが組み合わさることで強靭な素材となります。
熱膨張係数が、ほぼ同じあることなど、それぞれの長所と短所を補い合う理想的な素材として、建築や土木に広く使われるようになりました。
また、酸によって錆び強度が低下する鉄筋をアルカリ性のコンクリートが保護します。
鉄筋コンクリートの寿命は、コンクリートの中性化を防ぐことで伸びていきます。
自然環境の中で、コンクリートは表面から徐々に中性化していき、やがて鉄筋に到達します。すると鉄筋が酸化して錆び、体積が膨張してコンクリートを中から押し広げクラックを生みます。このクラックから雨水や二酸化炭素が、コンクリートの中性化が、クラック内部で起こり、鉄筋の錆を進行させる悪循環となり劣化を速めていくのです。
外暖熱工法は、この中性化を抑える上で大変有利に働きます。
日本コンクリート工学会の資料によれば、内断熱工法の場合の耐用年数が、65年であるのに対し、外断熱工法の場合、その耐用年数は180年になるとの研究結果もあります。

外断熱のアイテム

湿式外断熱システム
湿式外断熱システム
EPSやロックウール等の断熱材の上に左官で仕上げます。優れた透湿性(湿気は通すが、水は通さない)で、室内環境と構造体を守ります。仕上げは多様なカラーがあります。
硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームはプラスティック発泡体で、見かけは小さな泡の集合体で気泡の中に熱を伝えにくいガスが封じ込められています。このため透湿性に優れます。また長期にわたって他に類を見ない優れた断熱性能を維持します。さらに、型枠としての機能を持たせた型枠用断熱材も登場しています。
EPS断熱材
ポリスチレン樹脂に発泡剤と難燃剤を加えビーズ状にしたものを、蒸気で発砲させます。透湿性に優れ、経年劣化が少ないのが特徴です。
ロックウール
玄武岩、鉄鋼スラグなどを高温で溶かし、繊維状にしたもの。耐火性に優れる。吸音性も優れ、吸音材としても使われます。
断熱ガルバリウム鋼板
鋼板の中でも耐久性に優れたガルバリウム鋼板に断熱材が一体化された断熱サイディングです。高い断熱性能を持ち、さらに耐久性もあり美しい外観を長期間保つことが可能な製品です。
イソコルブ
バルコニー等と室内スラブとの間に生じる熱の移動(熱橋・ヒートブリッジ)を防ぎながら、バルコニー等の荷重により生じる応力を建物本体に伝達する製品です。
断熱塗料
塗布タイプの断熱塗材で高い断熱・遮熱効果を発揮します。
アルミサッシ
複層ガラス・樹脂アングル枠のアルミサッシを使うことで、開口部を断熱化し、室内温度差を軽減します。
断熱木製サッシ
三層ガラス構造でガラスとガラスの間の乾燥空気層とアルゴンガス層が気密・断熱性を高めます。 また、遮音性能にも優れています。
高性能Low-Eペアガラス
Low-Eとは低放射(Low-Emissivity)のことで、特殊金属膜をコーティングした低放射ガラスを使った複層ガラスで、優れた遮熱・断熱性能を発揮します。
高性能真空ガラス
2枚のガラスの間に0.2mmの真空層を形成しており、真空層が熱の「伝導」「対流」を、遮熱高断熱Low-E膜が「放射」を抑え高断熱性能を実現しています。また、単板ガラス用サッシに装着できるという特長もあり既存住宅の窓の断熱化も実現し、地球環境保護(CO2削減)という視点からも大きな貢献が期待されています。
外付ブラインド・外付ロールスクリーン
建物外部に設置し、日射遮蔽に優れたブラインド(ロールスクーン)です。日射エネルギーの80%以上を遮ることで、高い遮熱性能を発揮します。
インテリアファン
エアコンとインテリアファンを併用することにより、室内の温度ムラを軽減し快適な居住空間が実現します。
珪藻土等の左官仕上
微細孔(小さな穴)が、調湿し結露を防止します。また、脱臭製や断熱性にも優れます。

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外断熱の工法について

外断熱の基本

壁の断熱

床の断熱

基礎の断熱

鉄骨造の外断熱

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